(1) 沿革
イ 昭和22年に労働基準法が施行され、行政の協力団体として、県内の各労働基準監督署単位で労働基準協会が設立された。行政主導のもと、昭和29年12月、事務所を前橋市本町1丁目に置き、各地区労働基準協会を統合する群馬労働基準協会として発足。その後、法人化機運の高まりを受け、昭和42年5月には社団法人群馬労働基準協会と改称、事務所を前橋市千代田町1丁目に移転した。昭和47年の労働安全衛生法の施行を受け、昭和49年から指定教習機関として各種技能講習を手がけるようになり、昭和62年には組織を社団法人群馬労働基準協会連合会とした。平成2年5月、事務所を前橋市平和町1丁目に移転。その後、公益法人制度改革3法に基づく対応として、平成25年4月、一般社団法人群馬労働基準協会連合会と改称。平成26年6月には前橋市下小出町2丁目へ事務所の移転を行い、以来、今日に至っている。
群馬労働局の外郭団体として設立以来、一貫して、勤労者の福祉の増進と産業経済の健全な発展に資するための各種事業を積極的に推進している。また、県内労働災害防止団体の中核として重要な役割を担っている。
ロ 事業内容は、発足当初の昭和20・30年代は労働基準法の周知を図るための広報活動が中心であったが、昭和40年代には当局の法令違反摘発に重点が移り、特に労働災害防止関係法令の遵守が強化されたこともあり、当連合会は労働安全衛生法の周知や労働災害防止の広報・啓発活動等に取り組むようになった。昭和47年には労働安全衛生法が施行になり、労働者の資質向上を目指した各種技能講習、作業主任者制度が発足した。これを受け、昭和49年7月にフォークリフト運転技能講習の指定教習機関となったのを皮切りに、昭和52年3月には鉛作業主任者講習、その後も新たな指定・登録を得て、今や計11に及ぶ技能講習の登録教習機関となっている。このほか、特別教育やその他の研修・講習を様々行い、いずれも数多くの受講者を輩出している。
また、全員参加の労働災害防止活動としてのKYT(危険予知訓練)の普及を図るべく、昭和61年3月には群馬ゼロ災害運動推進協議会を創立。さらには、昭和63年の労働安全衛生法の改正により、安全衛生対策の主軸が快適職場の形成と個々の労働者の健康増進(THP)を図ることが事業者の責務とされたことを受け、平成元年に群馬THP推進運動会を設立。以来、過重労働、テクノストレス、職場の人間関係等に関するメンタルヘルス対策にも取り組んでいる。
一方、昭和63年の労働基準法の改正により、週40時間制や週休2日制の導入、また年間総労働時間1800時間の実現等、労働時間短縮が大きな課題となったが、当連合会は、公益社団法人全国労働基準関係団体連合会(以下、「全基連」と略。)の群馬県支部の立場から、労働時間短縮や賃金制度、あるいは労務管理等についての全基連の諸事業に積極的に協力している。また、中央労働災害防止協会(以下、「中災防」と略。)とは相互協力関係にあり、交流や情報交換に努めるほか、全国産業安全衛生大会への参加や研修の共催等、中災防の各種事業の推進に協力している。
ハ 群馬労働局の登録を受けている技能講習及びその他の講習の登録番号は以下のとおり。なお、記載のない技能講習登録の有効期間の満了日は令和11年3月30日。(技能講習名左に記載の数字は登録番号)
42 乾燥設備作業主任者技能講習
51 フォークリフト運転技能講習
66 鉛作業主任者技能講習
72 有機溶剤作業主任者技能講習
80 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習
96 小型移動式クレーン運転技能講習
102 高所作業車運転技能講習
150 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習
151 石綿作業主任者技能講習
205 金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習(満了日 令和11年1月21日)
3 建築物石綿含有建材調査者講習(満了日 令和10年1月11日)
(2) 事業
イ 事業の種類
○労働基準法・労働安全衛生法等の関係情報提供事業
- 機関紙「群馬労働基準ニュース」の毎月発行
- ホームページの開設
- 関係図書・用品等の紹介・斡旋
- 各種セミナー等の紹介・斡旋
○労働安全衛生に関する啓発事業
- 全国安全週間・全国労働衛生週間行事の実施
- 群馬産業安全衛生大会の開催
- 優良事業場表彰、個人功労者表彰
○労働安全衛生に関する教育事業
- 技能講習
- 特別教育
- その他の研修・講習
○労務・労働安全衛生関係の調査研究事業
○委託事業
- 中小規模事業場安全衛生相談事業
- 外国人技能実習制度関係者養成講習
ロ 教育事業
○【技能講習】
- フォークリフト運転
- 小型移動式クレーン運転
- 高所作業車運転
- 乾燥設備作業主任者
- 有機溶剤作業主任者
- 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
- 酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者
- 鉛作業主任者
- 石綿作業主任者
- 金属アーク溶接等作業主任者限定
○【特別教育】
- 産業用ロボットの教示等
- 酸素欠乏危険作業
- 粉じん作業
- 低圧電気取扱業務
○【その他の研修・講習】
- 安全管理者選任時研修
- 安全衛生推進者養成講習
- 職長安全衛生教育
- 基礎リスクアセスメント研修
- KYTリーダー研修
- 衛生推進者養成講習
- 保護具着用管理責任者教育
- 化学物質管理者講習(化学物質取扱)
- 第1種衛生管理者受験準備講習
- 第2種衛生管理者受験準備講習
- 第1種衛生管理者受験直前講習
ハ 安全衛生推進活動
○群馬労働災害防止団体連絡協議会(1989年1月設立)
設立の趣旨
県内の各労働災害防止団体が連携して産業界の労働災害防止に取り組むことにより、気運の醸成と地域の事業場の労働安全衛生水準の向上に寄与することを目指す。
主な事業内容
- 群馬産業安全衛生大会の開催
- 各種技能講習等実施予定表の作成 → 各種技能講習等実施予定表
事務局
一般社団法人 群馬労働基準協会連合会
TEL:027-212-9275
FAX:027-289-5178
構成員
- 一般社団法人群馬労働基準協会連合会
- 建設業労働災害防止協会群馬県支部
- 陸上貨物運送事業労働災害防止協会群馬県支部
- 林業・木材製造業労働災害防止協会群馬県支部
○群馬県ゼロ災害運動推進協議会(1986年3月設立)
設立の趣旨
人命尊重の理念に基づいて、職場の全員参加のもとで安全と健康の確保を先取りしたゼロ災運動の輪を広めることを目指す。
主な事業内容
- ゼロ災害運動の推進を図る為の啓発・講演会の開催
- 中災防との共催による危険予知訓練(KYT)の定期的実施(基礎コースとトレーナー育成研修)
- 優良事業場等の視察研修会の開催
事務局
一般社団法人 群馬労働基準協会連合会
TEL:027-212-9275
FAX:027-289-5178
※事業場からの加入希望は随時受け付けしています。
年会費(1月1日~12月31日、年後半から加入は半額)
規模50人未満 5,000円、50人以上 10,000円
○群馬THP推進協議会(1992年10月設立)
設立の趣旨
国が公表した「労働者の健康づくり指針」に基づき健康保持増進対策の啓発・普及活動の推進により、県内企業における計画的且つ継続的な健康づくり運動の気運の醸成と定着を目指し、THP指導者の資質の向上に努め、全ての労働者の健康レベルの向上を図ることを目的とする。今日では、更に一歩進んで、労働生活の全期間を通じての継続的かつ計画的に心身両面にわたる積極的な健康保持増進を目指す。
主な事業内容
- THPの啓発・普及促進に関する事業
- THPに係る調査、情報の収集・提供の事業
- 産業医、各部門スタッフの資質の向上に関する事業
- メンタルヘルス等の部門別研修会の開催
- 会員相互の交流及び関係機関との連携に関する事業
サービス機関部会
1993年6月に同部会を設置。独自にTHPの広報、普及活動を行い、事業主の理解を深め、健康測定・運動指導・健康相談等の委託業務の拡大に努めるとともに、THPの各種技術の向上を図ることを目指す。
事務局
一般社団法人 群馬労働基準協会連合会
TEL:027-212-9275
FAX:027-289-5178
※加入希望事業場は、随時受け付けしています。
○群馬県粉じん障害防止対策協議会(1989年4月設立)
設立の趣旨
粉じん障害による疾病は、長期間にわたり粉じんを吸入することによって発症する代表的な職業性疾病で、業務上疾病全体の5%を占めている。粉じん障害の防止には、3管理をはじめ労働衛生教育などが極めて重要であり、協議会を設置することにより、粉じん障害防止活動の輪を広めることを目指す。
主な事業内容
- 労働衛生管理体制の確立に関する事業
- 労働衛生3管理の確立に関する事業
- 粉じん障害防止に必要な教育に関する事業
- 予防対策の普及啓発に関する事業
- 会員相互の交流及び関係機関との連携に関する事業
事務局
一般社団法人 群馬労働基準協会連合会
TEL:027-212-9275
FAX:027-289-5178
※事業場からの加入は、随時、受け付けしています。
二 その他
○労働安全衛生法に基づく免許試験の出張特別試験
公益財団法人安全衛生技術試験協会関東安全衛生技術センター(千葉県市原市)と共催し、出張特別試験(例年、10月又は11月)を前橋市内で実施する。当連合会では、第1種及び第2種の衛生管理者免許試験について、受験申請書の受付等の事務を担う。
出張特別試験での試験の種類は以下のとおり。
- 第1種衛生管理者
- 第2種衛生管理者
- 1級ボイラー技士
- 2級ボイラー技士
- ボイラー整備士
- 普通ボイラー溶接士
- クレーン・デリック運転士(クレーン限定)
- 移動式クレーン運転士
○上乗せ100円労災
地区労働基準協会会員を対象とした労災上乗せ補償制度。
従業員の業務上災害・通勤途上災害で、死亡・後遺障害を対象に補償している。